アンバーグリスとアンバーの違いとは

香水の香料として知られる「アンバーグリス」と「アンバー」は、混同されることも多いですが、本来のアンバーグリスの香りとアンバーの香りは、全く異なります。
今回はアンバーグリスとアンバーの違いについて詳しく解説していきます。

アンバーグリスとは

Ambre(アンバー)とうい言葉はフランス語で「琥珀」という意味になりますが、言葉の由来はマッコウクジラ体内で作られた結石が排出された後に日光と酸素、海水によって長い時間をかけて酸化、熟成した Ambre Gris(灰色の結石)をアラビアでは古くからお香の原料として用いられていました。
アラビアでは宗教行事などで使用されるお香にはいくつか種類があり、乳香(フランキンセンス)、麝香(ムスク)、白檀(サンダルウッド)に加え、松ヤニの樹脂である琥珀が使われており、アラビアからヨーロッパにアンバーグリスが持ち込まれた際、これを松ヤニの一種として取り扱われたため、琥珀を意味する「アンバー」という名前で呼ばれるようになったと考えられています。
現在アンバーグリスは、ワシントン条約による捕鯨の禁止によって希少性が高く価格が高騰していることやアンバーグリスの主要な香気成分も判明しているため、別の香りで再現している場合がほとんどです。

アンバーグリスの香り

アンバーグリスは、中国では龍涎香(りゅうぜんこう)と呼ばれており、「」という漢字は「よだれ」を意味し『龍のよだれが固まったもの』という意味になります。アンバーグリスの放つ良い香りと他の自然物には無い色と形から龍が落とした「よだれ」だと考えられていました。
その香りは、海水の磯臭さと糞便臭が混じった不快なニオイですが、熟成するにつれて、パウダリーな甘さと土のアーシーな香りへと変化します。香水などに少量入れると官能的な香りと共に他の香りを引き立たせ、香りに「広がり」と「奥行き」が生まれ、更に持続性も高まることから、ラストノートに利用されることが多いです。

アンバーとは

アンバーとは、アンバーグリスが希少性が高いことから、アンバーグリス以外の天然香料や人工的に作られた合成香料でアンバーグリスの香りを代替したものです。合成香料の「バニリン」と天然香料の「ラブダナム」を組合わせたりしてアンバーグリスの香りを再現しています。

アンバーの香り

アンバーの香りは、アンバーグリスの香気成分の解明が進み、主な香りの成分である「アンブロキシド(アンブロキサン)」を中心に、複数の香料を使って独自のアンバーが調合されています。
その香りは、アンバーグリスが持つアーシーでバルサミックな甘さと温かみを持ち、ブランデーのような魅惑的な香りです。

まとめ

アンバーグリスが持つ官能的で温かみのある香りは、オリエンタルノートなど魅惑的なノートを構成する香りに深みと奥行きを出す香料として重宝されてきました。
現在では、アンバーグリスの香りを確認できる機会はほとんどありませんが、調合香料や合成香料のアンバーでも、アンバーグリスが持つ官能的な甘さがある香りを感じることができるので、お気に入りのアンバーの香りを見つけて楽しんでくださいね。

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