柑橘類を除くフルーツの精油は存在するのか

シトラス系の香りとしてレモンやオレンジなどの柑橘類の精油は、フレッシュで爽やかな香りが特徴で、香水ではトップノートとして利用されることが多い事はご存じの方もいるかと思いますが、ピーチやマンゴーなど柑橘類以外の精油については存在すのでしょうか?
今回はフルーツの精油について詳しく解説していきます。

シトラス(柑橘類)精油の抽出方法

レモンやオレンジなど柑橘類の精油の原料となる芳香成分は、果肉ではなく果皮に多く含まれています。そのため、食用として利用しない果皮の部分を利用することができ、抽出方法も搾れば容易に抽出できるというメリットがあります。
抽出方法については、主に「水蒸気蒸留法」と「圧搾法」を用いて抽出することが多いですが、柑橘類の精油は揮発性が高く蒸発しやすいため、高温を使う水蒸気蒸留法ではなく、圧搾法を用いる場合が多いです。
また圧搾法も、なるべく熱に触れないように圧搾機を冷やしながら行う「コールドプレス」という方法で抽出されます。

シトラス(柑橘類)精油の種類

柑橘類の精油には以下のような精油があり、産地や抽出法によって香りも異なります。
レモン / ライム / オレンジ / グレープフルーツ / マンダリン / タンジェリン / ベルガモット / ユズ / カーブチー / シークヮーサー

柑橘類以外の精油は存在するのか?

アップルやストロベリーなど、柑橘類以外のフルーツ精油は残念ながら存在しません。
その理由は、柑橘類と同様に柑橘類以外のフルーツも、揮発性が高く熱によって劣化しやすいため、水蒸気蒸留法を用いた抽出に適しておらず、柑橘類の芳香成分が果皮に多く含まれているのに対し、柑橘類以外のフルーツは、果皮ではなく果肉に水分や糖分と一緒に含まれているため、圧搾法を用いて絞った場合に、芳香成分と一緒に多くの水分が排出され、合理的に精油のみ抽出することが困難だということです。
精油として商品化するためには、大量の果肉を原料とするため、採算が合わない点や、自然から採れる果実を飲食以外で大量消費するという点も、倫理的な観点から実施されていないというのが現状です。

フルーツ香料の代替として合成香料が一般的

化学技術の発展とともにフルーツに含まれる香気成分の解明も進んでおり、現在私たちの身の回りにあるピーチやラズベリーなどのフルーツの香りは、合成香料で再現された香りが一般的です。
フルーツの合成香料には以下のような香料があり、香水を始めシャンプーやボディーソープ、柔軟剤など多くの商品で利用されています。
メロン / マンゴー / ラズベリー / ストロベリー / パッションフルーツ / アップル / ピーチ / ライチ / キウイ / フランボワーズ / 西洋ナシ / アプリコット / カシス / チェリー / バナナ

まとめ

柑橘系以外のフルーツの香りは、マンゴーやバナナなど熟した果実のように甘くフルーティーな香りから、ラズベリーやフランボワーズのように甘酸っぱい香りなど、様々な香りが合成香料として開発されています。
香水では「フルーティーノート」としてフローラルタイプやオリエンタルタイプなど様々なタイプの香りと調和し、香りに奥行きや華やかさをもたらしてくれます。フルーティーノートの香りは各メーカーから様々な商品が販売されていますので、好みのものを選んで楽しんでみてくださいね。

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