2022.07.01 Haruna ノート, 香りの種類 コメント: 0 香りを表現するノート(香調) コラム 香水でよく使われる「ノート」という言葉は、香りの香調のことで、それぞれ「○○ノート」と呼びます。例えば、柑橘系の香りならシトラスノート、ハーブの香りならアロマティックノート、花の香りならフローラルノートという名がついています。 ノートの種類は18種類 香りを分類するノートは18種類になります。そのなかで最も揮発性が高く香水を付けて最初の5~10分で香るトップノートに位置するのが、柑橘系のシトラスノートになります。シトラスノートから順にニューフレッシュ、アロマティック、マリン、フローラル、アルデハイド、グリーン、フルーティー、スパイシー、ウッディ、フゼア、シプレ、レザー、グルマン、オリエンタル、アンバー、パウダリー、ムスキーとなります。 ノートはシングルノートと複合ノートに分類される ノートにはオレンジやレモン、グレープフルーツなど柑橘の同類の香料を調香した香りをシングルノートと呼びますが、オリエンタルノートのようにスパイシーノートとグルマンノートが組み合わさったノートのことを複合ノートと言います。 ノートの中で複合ノートに分類されるのは、フゼア、シプレ、オリエンタル、アンバーの4つのノートです。 フゼアノート フゼア(仏: Fougeres)という言葉はフランス語で植物の「シダ」のことで、1882年にHoubigant(ウビガン社)が発表した「FOUGÉRE ROYALE:フジェール・ロワイヤル」という香水からフゼアノートのカテゴリが誕生しました。 フゼアの香りは、ラベンダーやクマリンのハーブのような渋みと青みのある爽やかな香りと、オークモスによる日陰の土のような重厚感のある香りの特徴を併せ持つ、かっちりとした雰囲気が特徴で男性向けの香りです。 フゼアノートを構成する香料は、クマリン、ラベンダー、ゼラニウム、オークモス、ベチパーです。 シプレノート シプレ(仏:Cypre)という言葉はフランス語で「キプロス島」のことで、1917年にCOTY(コティー社)が発表した「LE CHYPRE:ル・シープル」という香水からシプレノートのカテゴリが誕生しました。 シプレの香りは、ベルガモットの柑橘系の爽やかな香りと、ラブダナムやオークモスの深みがあり、重厚感のある香りの特徴を併せ持つ、幻想的な印象が特徴です。 シプレノートを構成する香料は、ベルガモット、ローズ、ジャスミン、パチュリ、ラブダナム、オークモスです。 オリエンタルノート オリエンタル(仏:Oriental)という言葉はフランス語で「東洋風、東洋的」という意味で、オリエンタルノートという言葉を香りの表現に用いたのは、香料が採取される場所に由来します。 もともとムスクやシベットなどの動物性香料は、ヨーロッパから見て東方(=オリエンタル)にありました。今日ではバニラやパチュリに加えて、さまざまなスパイスが組み合わされた香りをオリエンタルノートと呼んでいます。 オリエンタルの香りは、バニラのスイーツのような濃厚な甘い香りとクローブやナツメグなどのスパイシーな香りの特徴を併せ持つ、エキゾチックな印象が特徴です。オリエンタルノートを構成する香料は、バニラ、パチュリ、スパイス系の香料です。 アンバーノート アンバー(仏:Ambre)とうい言葉はフランス語で「琥珀」という意味になりますが、言葉の由来はマッコウクジラが主食であるダイオウイカを食した後に、消化しきれないクチバシや骨をまとめて結石化し、排出した後に日光と酸素、海水によって長い時間をかけて酸化、熟成したAmbre Gris(灰色の結石)をアラビアでは古くからお香の原料として用いられていました。 アラビアでは宗教行事などで使用されるお香にはいくつか種類があり、乳香、ムスク、サンダルウッドに加え、松ヤニの樹脂である琥珀が使われており、アラビアからヨーロッパにアンバーグリスが持ち込まれた際、これを松ヤニの一種として取り扱われたため、琥珀を意味する「アンバー」という名前で呼ばれるようになったと考えられています。 現在アンバーグリスは、ワシントン条約による捕鯨の禁止によって希少性が高く価格が高騰していることやアンバーグリスの主要な香気成分も判明しているため、別の香りで再現している場合がほとんどです。 今日ではバニラやラブダナムに加えて、さまざまな樹脂類の香料が組み合わされた香りをアンバーノートと呼んでいます。 アンバーの香りは、バニラに加えベンゾイン、ラブダナムなどの樹脂類のとろりと甘く、重厚感と深みのあるセクシーな印象が特徴です。アンバーノートを構成する香料は、バニラ、ラブダナム、樹脂類の香料です。 ノートとタイプの違い ノートとは香調のことですが、タイプとは複数のノートを組み合わせた香りの種類になり、複数のノートを構成した香りを「〇〇タイプ」と呼びます。例えば、シトラスノートの構成比率が高く、アクセントとしてフローラルノートを組み合わせた場合は、シトラスタイプ、フローラルノートとなり、ウッディノートの構成比率が高く、マリンノートを組み合わせた場合は、ウッディタイプ、マリンノートとなります。 18種類のノートの中で香りのタイプになるのは、シトラス、アロマティック、フローラル、ウッディ、フゼア、シプレ、オリエンタルの7つです。 まとめ 香水には様々な香りがありますが、7つの香りのタイプと、18種類のノートの組合せで構成されています。香水を選ぶ際に香料以外にもタイプやノートを知っておくと、調香師がどんなイメージで制作したのかなど汲み取ることもできるので、より一層香水の楽しみ方が増えますし、組合せによって生み出される香りの楽しみ方も増えるのではないでしょうか。 Tweet Share Hatena Pocket feedly Pin it RSS 「実際に利用する施設で香りの広がり方を確認したい」というお客さまへ無料お試しを実施しています。 まずは、お試しください。お客さまの業種やフロアー環境等から最適な設置場所、 オリジナルの香りをご提案させていただきます。 無料お試しのお申込み Haruna 幼い頃から鼻が敏感だったこともあり、大手化粧品メーカーに従事していた調香師から調香のノウハウを学び「株式会社いいにおい」を創業。好きな香りはベルガモット。 時間の経過とともに変化する香り 香りによるブランディング 関連記事 香りを通じて、人々の心に響く魅力的な空間を創り出す 宿泊施設のニオイに対する課題 アロマセラピーとフレグランスの違い 紅茶の香りに使われる香料 ホテルに「香り」を取り入れているにも関わらず、ポジティブな反応がないケースとは 介護施設のニオイに対する課題 コメント コメント ( 0 ) トラックバック ( 0 ) この記事へのコメントはありません。 この記事へのトラックバックはありません。 トラックバック URL コメントするためには、 ログイン してください。
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