アロマセラピーとフレグランスの違い

アロマセラピー(アロマテラピー)と香水(フレグランス)は、どちらも香りに関連する分野であり、混同されることがありますが、実際には異なるものです。
今回は、アロマセラピーと香水の違いについて詳しく解説していきます。

アロマセラピーとは

アロマテラピー(仏:aromathérapie)または、アロマセラピー(英:aromatherapy)とは、「Aroma:香り」と「Therapy:療法」 を合わせた言葉で、精油(エッセンシャルオイル)、または精油の芳香や植物に由来する芳香を用いて、病気や外傷の治療、病気の予防、心身の健康やリラクゼーション、ストレスの解消などを目的とする療法です。

アロマセラピーという言葉は、フランスの香料研究者のルネ=モーリス・ガットフォセの著書に由来します。
ガットフォセは、とある研究中に火傷をしてしまいました。その時にたまたま近くに合ったラベンダーオイルに火傷した手を浸してみると、痛みも和らぎ、回復も早かったことから、植物の持つエネルギーに魅せられ、精油を医学的に研究し、1928年に最初の著書「Aromathérapie」を発表したことが始まりです。
※ガットフォセのアロマテラピーは、精油を使った療法でしたが、その治療効果に香りは関係なかったとされています。

現代のアロマセラピー

精油を使って治療をすることを目的としたアロマセラピーですが、現在では大きく分けて2種類に分類されます。
アロマテラピーの発祥であるフランスでは、精油を体に取り込んで、血液の循環を改善するなどの薬理的効果の研究が進んでおり、メディカル・アロマテラピーが主流になっています。
一方、イギリスなどの地域では、精油を使ったマッサージを中心としたアロマセラピーが主流になっています。日本では、マッサージ以外にも美容を目的とする行為や、アロマコロジー(芳香心理学)で精油の香りを楽しむことを目的にしていることが多いです。

香水(フレグランス)とは

香水はフランス語で「Parfum:パルファン」と言い、ラテン語の「Per:~を通して」と「Fumum:煙」が語源で、古代から宗教的な儀式を行う際に、乳香(フランキンセンス)や白檀(サンダルウッド)などを煙を通して神々に捧げていたことが起源とされており、貢物として使用される香料は、金にも匹敵するほど高価なものでした。
もともとは、神々への貢ぎ物として利用されたいた香料ですが、時代が進むにつれ化学技術も発達し、中世ヨーロッパで蒸留技術が発明されたことにより、香料はみだしなみとして香水に使われるようになりました。
その後、貿易などで様々な国から香料が手に入るようになり、ルネッサンス時代にはイタリアを中心に新しい処方の開発が盛んに行われ、フランスのグラース地方では多くの香料製造会社が誕生しました。

現代の香水(フレグランス)

現代では、天然香料に加え、人工的に作られた合成香料や、天然香料と合成香料をブレンドした調合香料など、様々な香料が手に入るようになりました。 合成香料が登場したことにより、安価で安定して生産ができるようになったことと、アート(芸術)としての香りの表現が可能になりました。1921年に発表されたシャネルの『No.5』は合成香料である「アルデハイド(アルデヒド)」をオーバードーズし、世界で最も売れる香水になりました。
現代における香水は、みだしなみ以外にもファッションや自己表現のアイテムとして利用されています。

まとめ

アロマセラピーは、精油(エッセンシャルオイル)を用いた自然療法であり、健康や美容に対する効果が期待されています。
一方、香水は、精油に加え、合成香料や調合香料を使い、香りをみだしなみやファッション、自己表現のアイテムとして楽しむためのもので、全く異なります。また、香水は使用する香料が精油よりも多いため、各メーカーから数多く商品が発売されていますので、好きな香りを見つけて楽しんでくださいね。

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